前原先生への感謝

バス 宮崎 孝延

私たちが、初回から22年間、ご指導をいただいた前原信彦先生がお辞めになるのを知ったのは、昨年、パルテノン多摩での演奏会が終わった直後でした。控え室に全員が引上げてきた時、突然の先生の辞意表明に私たちは息をのみました。
その年の先生のご指導は殊のほか微に入り細に入り厳しく、「今年はちょっと違うな」という声が皆から聞かれました。先生の熱心さに私たちも、本気になってついて行きました。その甲斐があったのでしょうか、本番の「第九」終演と共に、客席から「ウワァー」という喚声が起こりました。「こんな第九、初めてだ」という讃美の声に聞えました。
本番での田代先生の情感あふれる指揮と、相模原交響楽団の熱演、それにソリストと合唱団が加わった総合力のおかげでしょうが、何といっても前原先生が私たちを厳しく鍛えて下さったからだと言えます。
先生は辞任の理由について、何もおっしゃいませんでしたが、きっと私たち以上に先生を必要とする人たちがおられたからだと思います。本当に、前原先生、長いこと有難うございました。厚く御礼申し上げます。
私たちは先生の後をけがさないように、しっかり「第九」をつづけていきます。

(2009年7月:記)

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